id:sin20xxさんへの応答 (1/2)

下記の木村草太さんの記事について。

id:sin20xxさんが次のようにコメントしていました。

なぜ、憲法学は集団的自衛権違憲説で一致するのか? 木村草太・憲法学者 (THE PAGE) - Yahoo!ニュース

よくわからないけど、国民の本来の関心は安全保障の問題を結果的にどのように対応するのかという方であって、解釈に課題があるのは万人が理解しているかと。本来の議論より枝葉の議論ばかりするのは日本の悪い癖。

2015/06/18 01:34

これに対して、僕が次のようにコメントしました。

なぜ、憲法学は集団的自衛権違憲説で一致するのか? 木村草太・憲法学者 (THE PAGE) - Yahoo!ニュース

id:sin20xx 目的は手段を正当化しません。国家という怪物(そして代表という実質的権力者)を抑えこむことが近代の課題であり、現時点での回答が立憲主義です。憲法を蔑ろにすることは、怪物を野に解き放つことです。

2015/06/18 10:34

このコメントに対して、次のブログ記事で返事をいただきました。

ブックマークコメントの応酬について

ブックマークコメントでの私の返答は、明らかに的外れでした。ごめんなさい。

id:sin20xxさんのブックマークコメントは次のように整理できます。

  • 国民の関心は安全保障に向いている。
    • これが本来の議論だったはずだ。
  • 安保法案にまつわる憲法の解釈には課題がある。
    • これは万人に理解されている。
    • これは本筋から外れた枝葉の議論である。

私はこのコメントを、次のように理解しました。

  • 本来、重要な事は安全保障という目的を達することだ。
  • 法案の違憲性に関する議論は枝葉なのだから、目的を達するためには、違憲性を無視して法案を成立させるという手段は正当化される。

この理解に立って上記のコメントを投稿したのですが、「目的を達するためには〜」以下はid:sin20xxさんのコメントに書かれていないのですから、的外れです。

その上で、僕はやはりid:sin20xxさんの見解に対して批判的です。要点は次の通り。

  • 安保法案はその根幹において明らかに違憲であって、「課題がある」という段階を通り越している。
  • 明らかに違憲である法律が、国会によって成立されようとしている。違憲の法律を成立させることは、主権者から議会へと(憲法にもとづいて)付託された代表としての権限を逸脱するものだ。国家を存立させる根拠としての憲法をないがしろにするものであって、極めて重大で不当な行為だ。
  • 木村さんの記事はこの重大な不当性を明らかにする論説であって、「枝葉の議論」などではない。
  • そもそも安保法案は狭義の「安全保障」に資するものではない。

以上の論点については、id:sin20xxさんのブログ記事への応答として、稿を改めます。