船本洲治『黙って野たれ死ぬな』

山谷・釜ヶ崎で下層労働者解放に身を投じた船本洲治の文集。

[新版]黙って野たれ死ぬな

[新版]黙って野たれ死ぬな

以下、自分なりにかみくだいた彼のテーゼと、それについての考え。

資本は、いつでも動員し、放逐・野たれ死にさせられる流動的下層労働者の一群を必要としている。

これは今もそのまんま通用する。というか、より多くの労働者を、未組織の、流動的な状況へと押しやる運動が今も進行中である。

寄せ場解放を、フリーター、プレカリアート、下流、非正規、ワープア、そして野宿の仲間の状況に連続するものとして位置づけなきゃならない。

寄せ場は、そのような流動的下層労働者の中継地点であり、吹き溜まりである。

現在においては、「中継地点」の機能が他の場所、装置に拡散した、と思っている。

自己を徹底的に弱者として位置づける流動的下層労働者による、「だまってトイレを詰まらせろ」式の闘争が、プロレタリア革命を最終的に実現する。

船本は、大衆から遊離し、暴動を侮蔑する新左翼諸党派をこき下ろすのであるけれど、現時点でプロレタリア革命をまともに目指すこと自体、大衆から遊離することなのではないか。

でもそれってつまり、牙を抜かれた、ということなのではないか。