大相撲九月場所千秋楽観戦記

千秋楽の相撲を国技館で見るのは初めて。今日の結びは大関日馬富士の全勝と、横綱とりが掛かる白鵬戦。すごかった。泣いてしまった。

協会あいさつ、幕の内土俵入り、横綱土俵入り、三役揃い踏みと、両雄が登場するたびに場内は大盛り上がり。稀勢の里鶴竜戦を終えて結びの一番、呼び上げを受けて両者土俵に上がると、拍手、掛け声、歓声、嬌声、興奮して訳の分からないことをわめく奴。両者が仕切るたびに興奮の波が寄せて、最後の仕切りで最高潮に達した後に行司の軍配が返るとシンと静まり返る (ここが好きなんだ) 。

立ってすぐに白鵬が右を差したのを、日馬富士が割とあっさり巻き替えて左四つ。大関が左をちょっとずつ深く差し込んで頭を付けて、苦しくなった横綱が左を抜き (ここは後で確認した) 、これで大関は両差し。西に、東に寄り立ててから、右の下手で投げ伏せようとするところを、白鵬が三つほどケンケンをするように粘って、ようやく力尽きた。

こうやって振り返ってみると、白鵬の最後の粘りは凄かったけど、結局は防戦一辺倒という相撲だった。左四つになった時点での体勢は五分だったはずだから、そこから為す術がなかったことを考えると、今場所時点の力量においては、日馬富士白鵬に優っていた、と言ってしまっていいと思う。