『サマーウォーズ』をDVDで見た。しばらく前に『攻殻機動隊』を見ていたので、同じサイバーパンク (ネットの海にダイブ!) を描いても、90年代と00年代でこうも違うのか、と思った。まとめると2点だ。
とても日常的なサイバースペース
ここにはさらに、言うべきことが2つある。
事態は明らかだ。私たちの生活が既にサイバーパンクであって、草薙素子が登場するまでもない。私たちとOzとを隔てる壁は、Googleデータセンタの計算能力不足だけだ。
「反サイバースペース」の不在
物語の冒頭、ファンシーな絵柄でOzの宣伝が流される。SF読みとしては当然、このサイバースペースが邪悪で、少なくとも反人間的で、それとの闘争や葛藤が描かれるんだろうなーと思うのだが、予想はまったく外れる。悪者が大暴れして、世界が危なくなって、その危機を脱したら大団円だ。
これだけの大混乱が起きていながら、Ozの運営主体も物語には登場しない。この不在はたぶん意図的だ。主人公とその同級生は、Ozの「末端の末端の末端」のバイトだと称している。
好きにはなれないな
確かに面白いよ。でも、好きにはなれないな。