大相撲2015年正月場所二日目: 宝富士初金星

○宝富士(上手投げ)鶴竜

宝富士は大きな体で左四つ、真っ正直な相撲で上位陣にとっては怖いところのない安牌でした。平幕上位まで来ては、横綱大関にボコボコにされて中位まで落ちる、典型的なエレベーター力士だったのが昨夏までの宝富士です。

それが去年の秋場所九州場所と、上位総当りの番付で大関を破って勝ち越しました。特に稀勢の里を破った相撲は出色でした。稀勢の里は、左四つに関しては当代の第一人者で、左が差せれば白鵬ですら一蹴するという人です。その大関と、がっぷり左四つに組んであっさり寄り切ったので、いつの間にここまで強くなったのか、と驚きました。

年が変わった今場所も、初日に稀勢の里を左四つ右上手で脅かし、敗れたものの実力を再確認したところで、二日目の相手は手取りの横綱鶴竜です。

鶴竜が先手を取り、両手の喉輪で押し込もうとするのを宝富士ほとんど下がらず土俵中央で受け止め、たまらず鶴竜が叩いたところを付け入って右四つ、これを巻き替えて左を差し、向正面に寄り立てながら右上手を引き、最後は上手から投げ捨てました。完勝でした。

長く幕内にいて、手の内も知られた上でのこの活躍は、紛れもなく実力のなせるところでしょう。外連のかけらもない相撲っぷりで、横綱大関に手も足も出ず跳ね返され続けていた人が、地道に強くなって初金星ってのはとても嬉しいことです。

三日目の相手は横綱白鵬です。