The man of the year 2016: 正代直也

今年の正月に新入幕、九州場所は西の3枚目で11勝を挙げたので、明けて来年の正月は新三役でしょう。

力の強いは百難隠すとはよく言ったもので、素人目にもあやふやな、狙いのはっきりしない相撲なのに、どんな体勢でもそれなりに取りこなします。

一番印象に残っているのは秋場所貴ノ岩戦です。貴ノ岩が右四つで頭を付けて、おっつけから押し上げて前廻しを引いて、申し分のない運びで寄り切ろうとしたところ、さっきまでただ受けていた正代が、棒立ちからなんの脈絡もなく右の突き落としをズドンと一発でひっくりかえしてしまいました(決まり手はすくい投げ)。展開もなにもあったもんじゃない。

横綱大関と当たろうが初日から七連敗しようが、神経がないみたいに落ち着き払っているのも大物感たっぷりで魅力的です。

上位で安定して勝つためには技術の洗練も必要でしょうから、来年の正代の相撲がどんな変貌をとげるか、実に楽しみです。