水野直樹、文京洙『在日朝鮮人 歴史と現在』 (2015, 岩波新書)

近代以降の在日朝鮮人の歴史を概観した本です。

日本の左翼運動、特に戦後すぐまでの共産党で、在日朝鮮人がきわめて大きな役割を占めていた、ということ。これは初めて知りました。「運動」の文脈においてすら、ちゃんと継承されていない歴史だと思います。

あとは、植民地統治に起因する狭義の「在日朝鮮人」が二世、三世と代替わりする一方で、戦後に移り住んだニューカマーも増えて、こちらも代替わりを経ており、広義の「在日朝鮮人」が多層化しつつある、ということ。言われてみればそりゃそうだ、って話ですが。